お通じが1週間も10日もない。

おなかはもちろん、気分も悪くて下剤をいくつも試し、かえって下痢や痔になってしまった、なんていうつらい経験はありませんか?

「便秘」とは、個人差はありますが、便が出にくく、出ても硬い状態のことをいいます。

便秘のうち、機能性便秘(特定の器質的な病気が原因でおこらないもの)が慢性となったものがいわゆる常習性便秘です。大部分がこれにあたり、弛緩性便秘、直腸性便秘、痙攣性便秘に分類されます。

 

弛緩性便秘…大腸の緊張が低下し、蠕動運動が減弱して腸内容の通過が遅くなり、

水分が吸収されて糞便は硬くなる。

直腸性便秘…糞便が直腸に入ると直腸壁が緊張して内圧が亢進し、排便反射が生じる。

この反射の抑制により排便困難となる。

痙攣性便秘…副交感神経の過緊張により、下部大腸にけいれん性収縮が生じて

糞便の通過が障害される。

 

便秘が続くと、排便しても硬いため、痔になりやすく、さらにニキビや吹き出物ができる、肥満になる、気分も優れず不快感があるなど、体調にも悪影響が出ます。

 

~くらしの中の予防法~

・食事

食物繊維は腸を刺激して排便を促します。

野菜、果物、いも、豆類、海藻などをしっかりとりましょう。

たんぱく質中心の食事だと、便が硬くなります。

糖質や脂肪は便をやわらかくし、腸内で食べ物のすべりをよくします。

果物、ハチミツなどをとりましょう。特にオリーブオイルは有効です。

 

・運動

大腸の筋肉を動かすように、適度な運動をしましょう。

便秘予防のトレーニング

1.毎日、3食しっかり食べましょう。

その上で1日一回、排便する時間を決めましょう。

2.排便時間が決まったら、便意がなくてもトイレで排便の努力をしましょう。

痔がある場合は、あまりきばらないように。

 

~漢方薬にできることは?~

漢方治療は乱れた腸の動きを整え、正常な便通を取り戻すのにすぐれた効果があります。

常習性便秘などでは西洋薬の下剤が合わない人もいますが、そういう人にも使いやすいのが漢方薬です。

いろいろなタイプに幅広く用いられる大黄甘草湯や、腹部に皮下脂肪が多いタイプに用いられる防風通聖散、お年寄りなどにみられる兎糞状の便に用いられる潤腸湯や麻子仁丸など多くの漢方薬が体質・症状により使われます。

 

最後に以前に比べたら便秘気味になった。便が細くなり、血が付着する場合は大腸がんなど大きな病気が隠れている場合がありますので、医師に相談し適切な処置を受けて下さい。

 

参考資料 株式会社 協和メドインター

株式会社 ツムラ

二子玉川メディカルクリニック