中高年の発症率が増加するなど喘息の常識が変わってきました。

成人後の患者数は60~70代がピーク

近年喘息で悩んでいる人が年々増えています。

2015年に厚生労働省が行った調査によれば、治療を受けている患者数は約120万人に上がり、治療を受けていない人も含めれば、潜在的な患者数はすくなくとも450万人以上と推測されています。

患者数の人口比でいえば、成人のぜんそくは全体の3~4%(未成年は約7%)を占めています。つまり、成人の20~30人に1人はぜんそく持ちになり、その割合からすれば、ぜんそくは身近な病気でいつ誰が発病しても不思議ではありません。

ぜんそくといえば、子どもの病気というイメージが強いのですが実は大人の患者数も多く特に60~70代に発症しています。成人の患者さんで小児ぜんそくを経験している人は3/2程度で、残りの3/1は大人になって初めて発症しているのです。

 

気管支の内側が炎症を起こして狭くなる

日本アレルギー学会が制作した「喘息予防・管理ガイドライン」によれば、慢性的な気道の炎症が基本病態である」と定義され、主症状は激しいセキ込み、ゼーゼー、ヒューヒューと呼吸音のする喘鳴があることです。

また、息を吐きにくかったり就寝時に胸が苦しくなったり、寝ているより座っている方が呼吸しやすかったりするほか粘りのある痰がなかなか吐きだせないのも特徴です。

なお、ここでいう気道とは、特定の器官を指す名称ではなく、鼻や口から吸い込んだ空気を肺まで送る空気の通り道をいいます。

 

気道は、上気道と下気道にわかれ、鼻から喉頭(のどぼとけ)までが上気道、気管から肺までが下気道で、一本の細長い管になっています、喉頭からはいまでは気管でつながり、肺の中には気管からさらに枝分かれした気管支が広がっています。

特にぜんそくの人は、気管支の内側が炎症を起こして狭くなっています。呼吸をするたびにヒューヒュー、ゼーゼーと鳴る喘鳴は、狭きなった気管支を空気が無理に通ることで起きる空気の摩擦音なのです。

このような気管支炎症がセキや呼吸困難を招いておることから、ぜんそくを正式には「気管支ぜんそく」といいま

年間2000人近くが命を落としている

 

 

ぜんそく症状のレベルは、ヒューヒュー、ゼーゼーという喘鳴だけで息苦しさはない軽症のものから、動くことさえできなくなる大発作まで次の4階段があります。

 

1.喘鳴・・・喘鳴は聞こえるが咳や痰はほとんどなく運動すると息苦しさを感じる程度

2.小発作・・・咳や喘鳴などが続き、普段から多少息苦しさを感じるが夜は眠れる

3.中発作・・・咳や喘鳴が酷くなりひどくなりかろうじて立っていられる状態。呼吸が苦しくて横になって寝られず座った方がらくになる

4.大発作・・・激しいせき込みや息苦しさで身動きが取れず、会話も困難な状態。上体を起こして前かがみにならないと呼吸ができない。

大発作が起こると最悪の場合、死に至るケースもあります。薬物治療が普及している現在は、以前に比べれば死亡者数は減っているものの、それでも年間に2000人近くが年間に命を落としているため、早めに薬物治療を受けて、ぜんそくをコントロールすることが必要になるのです。

大人になって初めて発症するケースでは60代以上のカゼをきっかけにぜんそくを起こす事がよくあります。本人はカゼが長く続いれると思っているうちに、発作を起こして救急車で運ばれることも少なくはないです。

 

そのため、カゼで熱が引いたあとも咳や喘鳴、息苦しさなどが数週間続いてる場合は、ぜんそくの症状である可能性が考えられます。

これらの症状を放置していると、中発作、大発作へと悪化していく恐れもあるの、咳や喘鳴が長く続いてる人は、できるだけ早めに内科、呼吸器科、アレルギー科、耳鼻咽喉科などを受診して下さい。

二子玉川メディカルクリニック